1. 授業や制作など
パリ・カレッジ・オブ・アート(PCA)には Fine Arts, Communication Design, Fashion Design, Film, Photography, Interior Design に加えて博士課程など多分野の専攻の生徒が同じ建物で学んでいます。
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学校の入り口 |
オリエンテーションの週で、同じく留学で来ている生徒の大半がアメリカから同じプログラム(SAI)ですでに知り合っていたり、同じアパートで暮らしていることが分かりました。若干の疎外感と不安は感じましたが、オリエンテーションのプログラムにセーヌ川ツアーやガレリア美術館の展示が組み込まれていたので、連絡先を交換したり、軽く打ち解けることができました。
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ガレリア美術館 Stephen Jones の展示 |
授業は版画メチエ、機械編みとデザイン、平面絵画(アトリエ)、パリインサイド&アウト、フランス語入門の 5 つを履修しています。PCA では専攻に限らず好きな授業を取ることができるので、出身校の専攻が全く異なる人も同じ授業を取っていて面白いです。実習授業は1コマ4時間〜5時間を週に1回で、授業時間外にスタジオで4時間ほど自習することが求められます。どのクラスでも基本的にリサーチスケッチブックを作ることが必須で、インスピレーション元や参考作品から独自コンセプトを言語化することを重視しています。
版画アトリエの紙、インク類、機械編みの部屋に置いてある毛糸、平面絵画アトリエではキャンバスやパレット(あまり綺麗な状態ではないです)など基本的な画材は自由に使用できます。
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版画メチエの制作物 |
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版画メチエの制作風景 |
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機械編みの様子 |
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平面絵画(アトリエ)のクラス |
2. 暮らし
PCA に寮はなく、学校斡旋の学生アパートも予算オーバーだったので自分で探したシェアアパートに住んでいます。
入居するまで分からなかったのですが、インド、オランダ、ポーランドの出身の学生と社会人(全員男性)でした。私を含めた4人全員がフランス語をあまり話せないため、共通言語は英語で安心しました。リビング、キッチン、シャワー、トイレが共用ですが、特に不便はありません。ハウスルールにもよると思いますが、基本的に室内のどこでも靴で歩くため、自室で毎日履けるスリッパを持ってくるべきだと思います。
家から徒歩10分圏内に4〜5軒ほどスーパーがあり、一番近くて一番安い ALDI で大抵の買い物は済ませています。日本食にこだわりがないため、パン・パスタとスープや野菜類で食事を済ませています。アジア系スーパーや InterMarche という国外の食材に特化したスーパーなどでは一応ラーメンや醤油などを見かけました。
タオル類や風呂周りの小物は HEMA という安い雑貨屋さんで買いました。NAVIGO という定期があるとパリ市内外で乗り放題で、大抵の店は家から公共交通機関を使って20〜30分圏内なので気軽に立ち寄ることができます。
マイバッグ持参は常識のようで、入れる袋がないとエコバッグなどを必ず買う必要になるので注意が必要です。
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自炊した食事 |
日曜日には朝から活気のある市場があり、スーパーでは見かけない野菜や新鮮なフルーツなどをお得に買うことができます。露店のサンドイッチやクレープを食べ歩きするのも楽しみ方の一つだと思います。
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11 区のマルシェ |
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バスティーユ広場前のマルシェ |
3. 現地の様子
パリに限らずヨーロッパではタバコを吸うのが当たり前の習慣のようで、授業前や授業の間の休憩に先生と生徒が校舎前でタバコを吸いながら話している姿が日常茶飯事です。私は非喫煙者なので結構驚きました。道を歩いているだけで副流煙を浴び放題なので、嫌煙家の人は生きづらいかもしれません。
日本で来ていた冬服類をそのまま持ってきましたが、防寒具を揃えていればさほど寒さは変わらないと思います。自室がすこし底冷えするため、ブランケットを急いで買いました。室内で体温調節できる羽織ものがあるといいかもしれません。
天候は曇りがちで、パラパラ雨がよく降ります。日本の折りたたみ傘を使ってみたのですが、風が強いので長傘の方がおすすめです。私は諦めてフードを被ってやり過ごしています。
パリの日の出は8時ごろ、日没は18時前でまだ夜が長いです。授業で暗くなってから帰ることもありますが、意外と女性一人で乗っている方も散見されるので、危惧していたほど危険には感じていません。
アングレーム国際漫画祭は 1 日で回りきれないほどさまざまな催し物があり、日本の漫画もたくさん展示、販売されていました。街全体に壁画やイベント会場があり、歩くだけでも教会の建物や景色が美しくていい街でした。最終日の日曜日でしたが、現地のフランス人の老若男女、親子問わず遊びにきている人で賑わっていました。
学生は大抵の美術館に入場無料、または割引で入ることができるので授業前や学校帰りに寄って鑑賞できます。事前にオンラインでチケットを取っておく方がスムーズですが、受付で学生証を見せて入場も簡単です。(PCA の学生証の交付はすごく遅くて、貰うまで1ヶ月かかりました。)
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ルーブル美術館 |
以前精華のギャラリーで行われていた塩田千春さんの展示が Grand Palais で現在開催中で、メトロの駅に広告も出ていました。企画展はよく広告が出ているので、街をよく観察していれば最新の情報を知ることが出来ます。
4. トラブル
NAVIGO というパリ地下鉄・バス・メトロ全線で使える定期を購入するにあたって、フランスの電話番号が必要になりました。日本の電話番号は保持したまま、デュアル SIM という形でフランスの番号を契約しましたが、海外から日本の携帯プランを変更するとなると手続きが厄介だったので、事前に調べておくことをおすすめします。
私の場合は携帯がデュアル SIM 対応かつ SIM フリーだったので、フランスの携帯番号を追加で契約するのは比較的簡単に済みました。日本の番号を使用しない間格安のプランに変更することも検討しましたが、海外からの変更手続きで様々な障害があり、諦めて渡航前のプランのままにしています。
フランスの携帯契約は Free というブランドの月 10€で 140G プランがお得で、店舗にあるタッチパネルで購入が完了するので楽です。
定期の NAVIGO 自体は E カードとしてスマホに内蔵できるので、購入してからその場で使い始めることができます。また、フランスの銀行口座を開設する際にも電話番号が必要となるので、早めに取得しておくことをおすすめします。(口座はオンラインバンクの Revolut で開設しました。)
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写真左:メトロの線路に捨てらてれいるゴミ、写真右:RER 車内の様子 |
5. 語学の状況
フランス語は少し独学してから出発しましたが、授業や日常生活で使う簡単な語彙程度しかまだ使っていません。学校は英語、シェアアパートでも英語で全てことが済むため、フランス語で交流する場を見つけないと上達しないと思います。
オペラはフランス語英語の両字幕があったため、同時に追いながら勉強しています。
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オペラ座 |