l. 授業や制作など
今月は、履修する予定だった授業をスケジュールの都合で取り消さざるを得なくなり、大きな時間の空白が生まれるところからスタートしました。もともとの履修制度の仕組みも異なるうえ、 IDCのオフィスの方も授業に関してすべてを把握しているわけではありません。また、私自身の語学力の問題もあり、授業に関する行き違いが頻繁に起こることがありました。直接教員の方に確認できる場合は良いのですが、そもそも連絡自体が回ってきていないこともあり、そうした情報を事後的に知ることも少なくありません。それが時には大きな負担に感じられることもありました。教授にメールを送っても返信がなかなか来ない場合もあるため、今後留学される方には、授業のWhatsAppグループに早めに参加したり、教授と連絡が取りやすい手段を確認しておいたりすることを強くおすすめします。
冒頭で述べたように、授業が一つ減ったことで2月には時間的な余裕ができたため、その時間を活かして卒論の先行研究を調べたり、インドで実施予定のアンケート調査の設計に取り組んだりすることができました。インドの文化については詳しくなかったのですが、友人に食生活について質問しながらアンケートを設計する過程は、非常に良い学びとなりました。
インドにはベジタリアンが多いということは知っていましたが、ベジタリアンの中にも卵を食べる人と食べない人がいることや、宗教によっては地下に育つ植物(例えばじゃがいもや落花生)を摂取しない人がいることなど、実際にこちらに来て初めて詳しく知ることができました。
2. 暮らし
2月は授業がなかった分、さまざまな冒険を楽しみました。仲良くなった友人に誘われ、深夜0時ごろにキャンパス内の丘に登り、ムンバイの美しい夜景を眺めました。そのまま寺院まで足を伸ばしましたが、犬を連れた修験者の方に注意されてしまいました。後から知ったことですが、その寺院は夜間、女性が近づいてはいけない場所だったようです。友人も知らなかったようですが、宗教や文化が多様に混在するこの国では、一見問題なさそうなことが、実はタブーになっていることもあるのだと実感しました。インドで学ばせてもらっている身として、より一層リスペクトの気持ちを持って生活していこうと思わされた出来事でした。
また、年に一度のIITのダンスパフォーマンス発表会にも招待され、観に行きました。友人が出演するということで開始時刻に合わせて向かったのですが、当然のように1時間ほど遅れてのス タート。やっと始まったと思ったら、学生による本格的なMCが入り、出演チームも多数あったため、友人の出番まで結局3時間ほどホールに滞在しました。それでも、どのチームのパフォーマンスも非常に見応えがありました。インド神話をもとにしたストーリー性のある伝統舞踊のようなミュージカル、アクロバティックなブレイクダンス、60年代から現代までの人気ダンスナンバーを振り返るショーなど、どれも飽きることなく楽しめました。途中で空腹に耐えられずホールを出ましたが、トイレは着替えやメイク室と化しており、多くの学生が準備を続けていたの で、まだまだイベントは続いていたのだと思います。
…
2月の終わりには、京都精華大学の学生と先生方(そして前学期に留学していた先輩方)が、海外ショートプログラムでインドを訪問してくれました。あっという間の滞在でしたが、久しぶりに見知った友人や先生方と会うことができて、とても安心しました。私がインドで出会った日本好きで日本語を話せる友人たちも、精華の学生と交流できたことをとても喜んでいました。
限られた時間の中でIDCの見学も行いましたが、どの教室の学生も快く作品や授業の様子を見せてくれて、本当にありがたかったです。中には、京都精華大学に留学したいと言ってくれる学生もいて、来年以降も交換留学の輪が広がっていけばいいなと思いました。
また、プログラムに同行したプネーでは、留学前に精華を訪問してくれたスリバラジ大学の学生たちと再会しました。日本に来てくれた学生だけでなく、それ以外の学生たちも私たちに強い関心を持ってくれて、短い時間ながらたくさん会話を楽しむことができました。中には、私たち以上に詳しくアニメやマンガの知識を持っているのでは?と思うほどの学生もいて、日本文化の影響力の大きさを改めて感じました。
私は授業の関係でハイデラバードまでは同行せず、プネーで皆と別れましたが、その後も大きなトラブルもなく無事に過こせたようで安心しました。もしIITへの留学を考えている方がいれば、インドという国が自分に合うかどうかを、まずは海外ショートプログラムなどで実際に体験して確認するのもいいかもしれません。
3. 現地の様子
2月のムンバイはこれから本格的に暑くなるのもあって、外のアクティビティができる最後の時間だと言わんばかりに、学内のグラウンドやテニスコートで遊んでいるのをよく見かけました。また、建設工事も雨季に入ると完全ストップしてしまうため、学内外問わず作業をしているのを見かけます。
気温の上昇に伴って、寮の部屋もまだなんとか天井のファンだけで過こせていますが、これ以上気温が上がるのは憂鬱になるくらいには過こしづらさを感じます。
4. トラブル
とにかく今月は、お金に関するトラブルに振り回されることが多い月でした。
学内の銀行ではなぜかキャッシングエラーが発生したり、突然理由も分からないまま休業してしまい、食堂での支払いができなくなったり、さらにはオンライン決済サービスが突如初期化されたりと、予期せぬ出来事が重なりました。
これらの経験から、最終レポートにもまとめる予定ですが、インドに到着してから各種サービスへの登録の順番を間違えると、いざという時に非常に面倒なことになると痛感しました。
快適なインド生活を送るためには、事前の情報収集と準備が何よりも大切だということを改めて実感しています。
5. 語学力
良いことなのか悪いことなのか分かりませんが、最近では、よく会話をする友人たちが私に合わせて話すスピードを落としてくれたり、難しい単語を噛み砕いて説明してくれることが多くなりました。
インド独特の言い回しや表現も丁寧に教えてくれるので、単に英語を学ぶよりもずっと面白く感じています。
また、IITの学生たちは英語と現地語(ヒンディー語など)を混ぜて話すことが多いため、「英語だと思って一生懸命聞き取ろうとしていたら、実は現地語だった」なんてこともあります。
そういった意味でも、言語に対する柔軟な姿勢を持つ環境なので、語学力の壁にあまり苦しむことなく勉強できています。