1. 授業や制作など
Midterms の内容+Final に向けて
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版画クラス中間報告の様子 |
版画(Print Matters)クラス:
二週間で一つのプロジェクトを行い、中間報告では三つのプロジェクトのプレゼンをしました。
一つ目のプロジェクトはモノプリント版画という、版にインクや絵の具を塗布し、用紙を当ててプレスする技法でした。間にドラフト紙や布、各々任意のモチーフを挟み、紙に転写されるインクをブロッキングする手法を利用して、印刷を量産していきます。ちょうど機械編み(Knitwear Design)の授業で作ったサンプルがあったので、糸や紙ナプキンと構成してモノプリント版画を作成しました。
二つ目は CMYK プリントで、減法混色を手動で再現する版画技法の色見本の制作でした。CMYK の四色を各自で調整し、一色ずつ刷って重ねていきます。第一版で紙に転写しきらず残ったインクを刷ったものをゴーストプリントといい、第一版に対して非常に薄い転写を残します。第一版とゴーストプリントのそれぞれを上手く利用しながら、減法混色で希望の色を再現する練習を行いました。
三つ目は CMYK プリントの本制作でした。
プラスチックのプレートに凹版絵の具を塗り、コットンや綿棒、筆を使って白く残したい部分から絵の具を取り除きます。フォトショップで参考画像を CMYK の色ごとに分解し、階調化した画像に基づいてこの作業を行います。
各色の第一版のみを重ねた本制作と、ゴーストプリントのみの薄いバージョンを作ることもできますし、青みを抑えるためにシアンのみゴーストプリントにする、という調整もできます。私は第一版をシアンとマゼンタ+イエローで分けたので、青みの強い版と温かみの強い版の二つができました。
これらの作品を中間報告で発表する形にするために、制作意図・形式をクラスでディスカッションし、意見交換を行いました。一つ目の作品群はザラザラとした質感や、同モチーフの反復であることを活かして映像作品にしました。三つ目の CMYK 本制作は、二枚の版を背中合わせと左右のどちらにも並び替えられる形で組み合わせました。最小の ZINE のような形になったのですが、受け取り手に可動してもらえるようにより小さい形で出版するのはどうかなどフィードバックがありました。中間報告はあくまでも中間なので、先生やクラスメイトからの質問を受けて今後どのようにブラッシュアップするかを話し合いました。
機械編み(Knitwear Design)クラス:
中間報告ではこれまでに習得したスキルを使用したサンプルをまとめて発表するものでした。縁・裾の作り方、色の切り替え、幅の増減、部分編み、パンチカードを使った模様、両面編みによるリブ編み、縄編みや穴あき模様などを教わりました。機械だから簡単というわけでもなく、中古の上に繊細な機械なので、糸の太さや種類、あらゆる工程に気を配りながら網進めても糸が切れて全てが水の泡になったりする、根性のいる作業です。
私はアームカバー、ランチョンマットやフリルを制作して発表しました。最終プロジェクトはセーター制作になるので、型紙制作と針数の計算を進めています。
2. 暮らし
家族が訪ねてきてくれたのもあり外食する機会が増えたのですが、一人前の量が多く、食べ切るのに苦労しました。デザートやストリートフードなど色々試してみたいものはあっても、中々お腹が減らないのは少し歯痒かったです。フレンチ、イタリアン、ケバブ屋さんなどジャンルによらず同様の現象だったので、外食する際はできるだけお腹を空かせて行くか、友人らとシェアするようにしています。
レストランで食べる際は、昼ご飯 15€程度、夜ご飯 25〜30€の価格帯を選んでいます。学校の昼休みなどでは、パン屋(Boulangerie)で 5〜8€でパン・オ・ショコラやパニーニ、バゲットサンドイッチなどを調達しています。
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左から:Food Society Paris フードコート;Bouillon Republic 伝統フランス料理店;Allegria Saint Lazare パスタ専門店 |
せっかくフランスにいるので、友人と白ワインのテイスティングに行ってみました。4 つの異なる地域のワインを飲み比べしながらソムリエの方に解説してもらい、味の違いや自分の好みを知ることができてよかったです。
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左から:サヴォワ邸近郊のパン屋さん;Brasserie Rosie フレンチレストラン;Les Piqueurs ワインセラー |
3. 現地の様子
現代アート美術館の Centre Pompidou が改修のため 2030 年まで閉館するので、閉館数日前に駆け込みで見に行きました。ヨーロッパ最大の現代アートコレクションと謳っている通り、コレクション展のみで三時間はかかるほど大きな展示でした。常設展の他にも、図書館や企画展、イベントホールも備わっている五階建てのアイコニックな建造物なので、テラスから見える夕陽もすごく綺麗でした。
ディズニーランドパリはヨーロッパの若年層にはあまり人気がないらしく、家族層や夫婦やゆったり遊びに来ている雰囲気で、昨今の混んでいる東京ディズニーランドに比べてとても過ごしやすかったです。どのアトラクションも長くても40分待ち程度で、一日で十分回ることができました。
日差しが暖かくなり、桜や公園の花などが咲き始めています。日没が遅くなっていて、四月からサマータイムが導入される理由を肌で実感しています。三月頭にナント(Nantes)まで日帰りで遊びに行きましたが、駅前に綺麗な桜が咲いていて驚きました。美術館・観光地やレストランのクーポンなどが含まれる Nantes Pass がとてもお得で、パリよりもゆったりとした時間の流れを堪能しました。パスに含まれている施設も多く、日帰りでは時間が足りないと感じたほどです。カフェに立ち寄ってみると、コーヒーが一杯 2€で、パリとの価格差に驚愕しました。ビスケットも付いていて、美味しかったです。
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左から:Centre Pompidou;ディズニーランドパリ;ナント駅前 |
パリ郊外・ポワティエにあるル・コルビュジエのサヴォワ邸を見に行きました。個人的な知名度ではもっと旅行者で賑わっていると思っていましたが、両手で数えられる程度の人数しかおらず、じっくり鑑賞できてよかったです。外観のコンパクトさやシンプルさとは裏腹に、屋内は思ったより広く、くつろぎやすさが見事に体現されていました。Centre Pompidou に展示されていた設計図やミニチュアではわからない、窓から差し込む光や暖かさ、目線の高さやテラスの景色はこの目で見てこそだと感じます。
4. トラブル
蚤の市(Puces Marches des Paris Saint Ouen)に行ってみて、昼食を買って公園に向かっている途中、通りすがった男性二人組に「ニーハオ」と挨拶されました。パリで知らない人に挨拶することはないですし、揶揄のニュアンスが強かったです。地図を見ていたので、気づいた時にはスルーしていましたが、このようなアジア人差別に遭ったのはこちらにきて初めてだったので、驚きました。18 区やパリの北の方はあまり治安が良くないと聞いていましたが、確かに他の地域に比べて異質なものを見るような視線を少し感じました。18、19、20区は移民、アフリカ、中東系が多いらしく、私が住んでいる20区でもアジア人はあまり見かけません。20区のマルシェに行ったときは治安の悪さや差別的な態度は見られなかったので、エリアによって雰囲気が全く違うことがわかりました。
蚤の市は楽しかったです!
5. 語学の状況
支度する時間に、フランス語単語 1000 個などの動画を垂れ流しながら、学習しています。
トラムでそのコートどこの?と聞かれたり、劇場の隣の席のマダムと少しお話ししたり、駅で道を聞かれた時に、ゆっくりながら一応フランス語で答えられるようになりました。分からない部分は英語で補っていますが、学んだフランス語を使うことができていて嬉しいです。
トラムでそのコートどこの?と聞かれたり、劇場の隣の席のマダムと少しお話ししたり、駅で道を聞かれた時に、ゆっくりながら一応フランス語で答えられるようになりました。分からない部分は英語で補っていますが、学んだフランス語を使うことができていて嬉しいです。
気になって仏語検定を調べてみたところ、5級、4級などはとても初歩的なレベルから受験できるようなので、自分のレベルと目標を見定め、今後の指標にしたいと思っています。