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Camberwell College of Arts 2025年4月マンスリーレポート(マンガ学部生)


 1. 授業や制作など

4月15日から、Unit8の授業が始まりました。

Unit8の1週間の流れは、Unit7のときとおおよそ変わら ず、
月曜日:授業なし
火曜日:課題に関連するワークショップやチュートリ アル
水曜日:授業なし(人によってクラブ活動など)
木曜日:課題に関連するセミナーやアクティビティ
金曜日:課題に関連するワークショップやチュートリ アル
といったスケジュールになっています。

ただ、Unit7と比較して少しだけ授業のリズムが変化しています。具体的には、ワークショップやチュートリアルが開始する時間帯がやや複雑になりました。1:1   Tutorial(一対一の面談のようなもの。課題のプランや進捗などを聞かれます。)やGroup Tutorial(数人のグループで、それぞれの作品を見せ合いながら、先生やグループメンバーからアドバイスをもらいます。)がある場合、担当の先生からTutorialの日時について書かれたメールが数日前に届きます。また、Workshopでも、Sign  up  Workshopの場合は、事前に自分の手で参加申し込みをしなければなりません。

この辺りの管理を曖昧にしていると、tutorialと他の授業の時間帯が被ったり、そもそも参加できなかった りしてしまうので、毎日メールをチェックして、時間の管理をきちんとしなければなりません。自主性を保つという点では、良いシステムだと思います。

Unit8の授業も、Unit7と同じように、初めに提示される課題を中心に進行していき ます。 Unit8の課題は次の三つです。

Exploring a public site (Critical Practice Project):
public site(誰もが、いつでも利用できる場所)をひとつ選び、その場所について、調査、記録し、それらを用いて何かしらの作品を作る、もしくはパフォーマンスを行うこと。選ぶ場所は問わないが、「あなた自身が直接その場に赴いて記録する」ことが条件なので、授業期間中に実際に訪れることができる範囲の場所にすること。記録方法は、様々な適切かつ新しい方法を試し、その場所についてより意味のある情報を発見できるよう努力すること。それぞれの作品やパフォーマンスの発表は、5月17日にPeckham Levelsでイベントとして行う。

Personal Archive:
学びや制作の過程を記録する。
(今回は特に、ワークショップなどの授業を通して「この質問の答えや感想をPersonal Archiveに描いてお くこと。」と指定されているものが多いです。)

Individual Programme of Study Presentation:
Unit9のCritical Practice ProjectやUnit10のIndividual Programme of Studyに向けて、提案書を作成する。 提案書の形は、フライヤーやポスター、ブックレット、録音、二分間のビデオなど。
(Unit9からは三年生の区分になるので、その準備のような課題です。話を聞いている限りでは、Unit9からのプロジェクトは精華のゼミの授業のようなもののようです。Unit8で帰国する交換留学生たちにとっては扱いの難しい課題ですが、その点に関しては初めに少しだけ補足があり、「直接的な関係はないけれど、あなたたちが帰国後に取り組みたいことなどについてまとめるといいと思う。」とのことでした。それでも少し解釈が難しいところはあります。)

Unit7の課題に比べて、指示が曖昧で、何をすれば良いのかがそれぞれに委ねられている側面が強く、正直なところ少し難航しています。CPPの場所に関しては、私はVictoria駅を選択しました。実際に何度か駅を訪れて、駅の環境音を録音したりクロッキーを描いたりもしました。最終的には、簡単なアニメーションを含む短い映像作品を制作するつもりです。またこれはUnit7のときにも痛感したことですが、いちUnitの授業期間が、Unit7は約4週間、Unit8は約6週間ととても短いため、制作期間がいつもキツキツです。とにかく時間が足りません。現地の学生や他の英語ネイティブの交換留学生たちに比べて、作品を制作する以外の部分でも数倍時間がかかっていると思うので、余計に大変です。

また、CPPの課題を発表するPekcham  Levelsでのイベントでは、その準備から運営、片付けまでを、それぞれに役割を持ったグループで生徒だけで行います。火曜日や金曜日の授業の前に30分程度のForumという時間があり、その時間で話し合いをして準備をしています。私は、Buildingという設営のチームに参加していますが、イギリスのレンタルショップやネット通販を利用してものを準備するということがなかなか難しく今の所あまり何もできていないので、イベント前日の実際の設営ではちゃんと貢献できるように頑張ろうと思います。チームメンバーはとても優しいです。

Unit7に比べて様々な面で難易度が増したように感じるUnit8ですが、この文章を描いている今現在もう授 業期間が後2週間と少しほどしかないので、最後までなんとか頑張ります。

Horniman Museumというところに、授業の一貫でスケッチをしにいきました。




2. 暮らし

イギリスは相変わらず湿度が低く乾燥していて、どんな気温でも過ごしやすいです。4月に入り、サマータイムの影響もあって日がとても長くなり、晴れの日も増えて、末頃にはTシャツ一枚で過ごせるくらいの気温になってきました。しかし末から5月の初めにかけてはまた気温が下がり、ここ数日はとても寒い日が続いています。

21時前まで明るいです


寮の生活は、特に問題なく、快適です。
 
4月の後半には、寮の衛生状況チェックとして、管理人さんたちがそれぞれのベッドルームを尋ねてバスルームの衛生環境や故障がないかどうか、禁止されているものを持ち込んでいないかなどを見てまわる期間がありました。これを機会に、水回りの大掃除や、ネット通販で溜まっていたダンボルールを全て処分したりしました。私の住む寮では、一階にあたるグランドフロアにゴミを収集する場所があり、燃やすものとリサイクルするもの(リサイクルごみは段ボール、プラスチック、缶など全てごちゃ混ぜです)に仕分けてそこに持っていくだけなので、とても便利です。水回りの掃除では、シャワールームやノズルの水垢取りがとても大変でした。イギリスの水は硬水であり、硬水はミネラルを多く含むので、乾燥したときに白い跡になって残ります。これを英語ではlimescaleと 呼ぶそうです。

お金に関しては、最近大分金銭感覚が鈍ってきたように感じます。以前に何かのブログで、イギリス人は£1を100円と同じくらいに認識している、という話を見かけたことがあります。流石に少し盛っているようにも感じますが、実際この表現はとても的をいていて、イギリスの平均的なスーパーのものの値段は、字面だけを見るとちょうど日本のものの100分の1くらいです。例えば、日本で250円から300円程度のいわゆるパーティーサイズのポテトチップスは、イギリスでは大抵£2.5前後です。実際の為替では£1で190円くらいなので、物価の差は体感的に1.5倍から 2倍程度のようです。寮のすぐそばにあるスーパーで一人分の食料を購入すると、£15ほどになることが多いのですが、体感では1500円くらいにでしかないのに本当は3000円近くかかっているのかと思うと、やはりロンドンの物価は怖いものがあります。


3. 現地の様子

イギリスには意外なほど沢山の桜が植っていて、広々とした公園でお花見をすることができました。日本 、特に京都でよく見られる桜よりも背が高くて幹の細い桜が多く、
緑の多いイギリスの街並みによく似合っています。京都の桜を恋しく思う気持ちもありましたが、ゴシッ クな建物と桜という、日本人からすると少し不思議にも思える光景は、それ特有の魅力がありました。

4月は、バッキンガム宮殿やナショナルギャラリー、またRyeというイギリス南部の海辺の街にフラット メイトと一緒に遊びに行きました。

ナショナルギャラリーでは、教科書でしか見たことのないような名画をたくさん鑑賞することができ、感動しました。月並みな感想ではありますが、教科書やネットの小さな画面でしか見たことがない絵画を、実物のサイズでもって目の前にすると、美術館で鑑賞することの意義を改めて感じるようです。旅行に比べて時間に余裕があり、一度に回れなくてもまたもう一度来れるという気持ちの上の余裕もありと、ゆっくり見てまわることができたので、イギリスに留学に来て本当に良かったと思いました。

またギャラリーには、現地の小さな子どもたちと先生たちのツアーもたくさんいて、小さいうちから偉大な名画に直に触れて、自由に鑑賞したり学芸員さんから話を聞いたりする機会を得られるイギリスの子どもたちが羨ましくなりました。基本的に静かに鑑賞することが良しとされる日本では、なかなか難しいことです。
 
馬がたくさんいました



日本の3倍くらい高いロンドンの丸亀製麺

 
・Rye town

二人の中国人のフラットメイトに誘われて、Ryeという街に1日遊びに行きました!

この二人のフラットメイトのうち、一人は日本語が話せる女性で、もう一人は男性、どちらもMAのイラ ストレーションコースの方です。私を含むこの三人で話しているときは、私と彼女は日本語、私と彼は英語、フラットメイト同士では中国語、三人での話題は英語と、なかなかに面白い光景になります。なかでも、三つの言語を瞬時に切り替えて、私が英語に詰まった時は手助けもしてくれるトリリンガルの彼女は、とてもすごいです。

Ryeには、Pancras  International  Stationから電車を乗り継いで向かい、パブでフィッシュアンドチップスや美味しいと有名なアイスクリームを食べたり、教会やRye   castle   を見てまわったり、そこからさらにバスに乗って海を見に行ったりしました。小さいながらもとても美しい街で、一日を堪能し尽くすことができました。

Ryeまでは、駅までの移動や乗り継ぎを含めて4時間弱ほどなのですが、帰りは電車の方向を間違えて6時 間近くかかってしまいました。フラットメイトのうちの1人は、日帰りではなく一週間ほどRyeに滞在するとのことで宿で別れましたが、ほとんど弾丸旅行の私たち2人はへとへとになりました。

Pancras


大きすぎるフィッシュアンドチップス

 



4. トラブル

大きなトラブルは特にありませんでした。

イギリスの駅はとにかく電車の出発時刻や行き先が分かりにくく、この1ヶ月だけでも何度か電車を間違え ているので、citymapperなどをぜひ活用して注意深く乗るようにしましょう。Ryeで電車を間違えた時は、乗っていた電車が日本の特急と新幹線の間のような路線のものだったので、引き返すだけでも1時間半以上かかり、気づいた時にはもう笑うしかありませんでした。二人だったから良かったものの、です。


5. 語学の状況

4月に入り、授業が再び始まったので、英語を聞いたり話したりする機会は3月に比べて格段に増えました 。特に、1:1やgroup  tutotrialといった授業では、自分の作品のテーマについてや今後の予定など、抽象的な内容も含めて中身のある話をすることを求められるので、座学ではなくコミュニケーションとしての英語を訓練する機会として重宝しています。ただ、仕方のないことではあるのですが、周囲の現地学生達の問答と比較して、その場でできるものに限ってはかなり簡単な内容しか伝えることができないので歯痒く思うことは多いです。また、話を聞いたり資料を読んだりする中で、見たことも聞いたこともないような単語が目につくことも増えたのですが、それは話の概要だけではなく細かい部分にまで気を払えるようになってきた成長の結果だとも思うので、残り一ヶ月と半分もめげずに頑張ろうと思います。