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Utrecht School of the Arts 2025年6月マンスリーレポート(芸術学部生)


1. 授業や制作など

5月の20、21日の試験で学校の授業が全て終わり、5月の末日から6月の末までゲストハウスの自室にてドローイング制作の続きを行いました。朝の10時から作業を始め12時に昼食、21時半まで休憩を挟みながら一日中作業をしました。学校のように誰かが意見をくれたり友達と作品について議論をしたりする機会は大幅に少なくなってしまいましたが、その分長い期間一人になれたことで他の授業やイベントに左右されずにより集中して作品に取り組むことができたと感じています。自室はアトリエではないので使用できる画材やスペースに制限がありましたが、そもそも荷物の関係でドローイングに絞って制作していたのでかなりスムーズに自室での制作に移ることができました。余談ですが今回の留学中に描いたドローイングは抽象画だったので幾分かわざわざオランダに行って抽象画を書く必要もないのではないか、京都でもほぼ同じようなことができたのではないかと思ったこともありましたが今はオランダで様々なものに触れることでしか描けなかったドローイングも必ずあったと思います。また自分の知らない土地で慣れない言語で生活しながらも自分の中に常に絵を描きたい、表現し続けたいという思いが残り続けることを知り今後の人生において自信を持ってどのような形であれ絵を描き続けられる、表現をし続けることができると言えるようになれたと思います。そのような意味でも留学に行くという選択やオランダでした様々な選択がそのときそのときで自分なりにできることを一つずつ実行できた大変有意義な経験であったと思います。






2. 暮らし

6月の10日からのほとんどの日をドローイングに費やしたためあまり街の様子などについては詳しく書けませんが以前と変わらず穏やかな日が続いていました。気候についても適度な風と温度で非常に快適に日々を過ごすことができていたと思います。一つ懸念した点があったとすれば6月24,25に開催されていたNATOサミットの影響による治安の悪化です。帰国する26日の2日前、 24日にアムステルダムの線路周辺で何者かによる放火とみられるボヤ騒ぎがあったらしく、ユトレヒト含むアムステルダム周辺の電車が半日ほど止まりました。結果的には私の帰国にはなんの影響もなく無事に日本まで帰ってくることができたのですが少し危なかったです。これから留学される方にはこういった不測の事態が起こらないとも限らないので大事な予定は予備のプランをあらかじめ用意することをお勧めします。




3. 現地の様子

ここでは私が住んでいたKruisstraatにあるCultuurcentrum Parnassosというゲストハウスとそこでできた私の友人について書きたいと思います。(以下ゲストハウスの名前をParnassoと略します。)このゲストハウスは駅から徒歩20分、ユトレヒト芸術大学から徒歩35分の所に位置している文化センターとゲストハウスが一緒になったような建物です。私はこの建物の3階にある部屋に滞在していました。

基本的には二人で一つの部屋を共有するのですが、私は運よくルームメイトがいなかったので 5ヶ月間ずっと一人で自分のペースを崩さずに生活することができていました。キッチンやトイレ、シャワーなどは消耗品やカトラリーなどの小さなものも含めて近くの部屋のメンバー数人と共有しました。私の場合は近くの部屋の女性三人と共有することになりました。もちろん最初はなれない異国での生活や他の人たちとのコミュニケーションが上手くいかずただ生活するだけでもなかなか大変な時期もありましたが5ヶ月間で少しずつお互いのことを理解し助け合うことで互いに上手に生活をすることができていったと思います。特に印象的だったのは隣人の一人が帰るときにみんなでささやかなパーティができたことです。みんなとの信頼があったからこそ会話もはずみ楽しいひとときを過ごすことができたと思います。
 





4. まとめ

詳しくは最終レポートの方で詳しく書きますがこちらにも行った大体の感想を載せようと思います。

私がこの留学に行くことを決めて留学の申請の書類や英語の勉強をしている最中ずっと本当に行くことができるのか、四回の前期で行ってその後の進路に悪い影響が出ないだろうか、留学に行って制作ができなくなったらどうしようか、数えきれない不安な気持ちでいっぱいでそれに抗うように留学の準備を進めていました。ときには諦めかけた瞬間や悲観的になった時間も多くありましたが今の私はそういった負の感情に負けずやるべきことを為し帰ってきたと感じています。おそらくこれからの人生においても何かの不安やプレッシャーに押しつぶされる日は数多くあると思いますが、それら一つひとつと向き合い打ち勝っていけることができると帰ってきたいま改めてそう感じています。そういった意味でも今回の留学の経験は私にとって大きな試練であり大きな糧になったと思います。もしこのレポートの前にいま留学に行くべきかどうか悩んでいる人がいたらぜひ行ってみることをお勧めします。もし結果として行けなかったとしても留学に向けてした準備があなたの役にたつ瞬間はきっとあるはずです。失敗を恐れずに頑張ってみてください。