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4月, 2025の投稿を表示しています

Camberwell College of Arts 2025年3月マンスリーレポート(マンガ学部生)

1. 授業や制作など 3 月は、1日から17日までが授業期間だったので、その間のお話をします。 3月は、対面の授業には少し慣れ余裕ができたものの、課題の締め切りに追われた月でした。 2月のマンスリーレポートでも説明したように、Unit 全体の課題は大きく分けて、Critical Practice Project (CPP)、 Project Presentation, Personal Archive の3つがあります。また今回のCPP では、Film とPublication という二つの課題がありました。それぞれの課題の概略は、以下の通りです。 Film: 画像や音声の素材を収集し、それらを用いて 20 秒から 2 分のショートフィルムを制作する。タイトル、概略も考えること。 フィルムのトーン(雰囲気)は、哲学的、情報的、詩的、破壊的、風刺的、皮肉的なものが好ましい。映像は、物語より、視覚的な関連性を重視。 Adobe Premiere Pro を推奨。 Publication: Film に関連した出版物を制作する。 Publication と言えるもの(本、コミック、画集、ゲームなど)であれば、何を制作しても構わない。タイトル、表紙のデザイン、概要やあらすじも考えること。 完成した作品は、3月14日の Book Fair で展示する。 私は、「Division and Individual」というテーマで、一分ほどの動画と、絵本を制作しました。 Film とPublication のどちらも、授業の中で発表、課題として提出するまでの間に、それぞれ2回ほど講評を受ける機会がありました。うち1回は、グループチュートリアルといって、グループのみんなでそれぞれの作品を鑑賞しながら、アドバイスを受けたり、先生からの質疑応答に答えたりするかたちのものです。例えば、Film  のグループチュートリアルでは、制作途中のショートフィルムを見終えた後に、「この映像の尺は、短くするべきか、長くするべきか、それとも今のままで良いか。」というアンケートが生徒たちに採られ、挙手をし、またその理由を答えるというものがありました。生徒自身が、別の生徒が制作している作品に対して、直接的なアドバイスをするという体験は、精華ではあまり経験してこなかったことであったので新鮮でした。もう1回...

Paris College of Art 2025年2月マンスリーレポート(マンガ学部生)

1. 授業や制作など Midterms の内容+Final に向けて 版画クラス中間報告の様子 版画(Print Matters)クラス: 二週間で一つのプロジェクトを行い、中間報告では三つのプロジェクトのプレゼンをしました。 一つ目のプロジェクトはモノプリント版画という、版にインクや絵の具を塗布し、用紙を当ててプレスする技法でした。間にドラフト紙や布、各々任意のモチーフを挟み、紙に転写されるインクをブロッキングする手法を利用して、印刷を量産していきます。ちょうど機械編み(Knitwear  Design)の授業で作ったサンプルがあったので、糸や紙ナプキンと構成してモノプリント版画を作成しました。 二つ目は CMYK プリントで、減法混色を手動で再現する版画技法の色見本の制作でした。CMYK の四色を各自で調整し、一色ずつ刷って重ねていきます。第一版で紙に転写しきらず残ったインクを刷ったものをゴーストプリントといい、第一版に対して非常に薄い転写を残します。第一版とゴーストプリントのそれぞれを上手く利用しながら、減法混色で希望の色を再現する練習を行いました。 三つ目は CMYK プリントの本制作でした。 プラスチックのプレートに凹版絵の具を塗り、コットンや綿棒、筆を使って白く残したい部分から絵の具を取り除きます。フォトショップで参考画像を CMYK の色ごとに分解し、階調化した画像に基づいてこの作業を行います。 各色の第一版のみを重ねた本制作と、ゴーストプリントのみの薄いバージョンを作ることもできますし、青みを抑えるためにシアンのみゴーストプリントにする、という調整もできます。私は第一版をシアンとマゼンタ+イエローで分けたので、青みの強い版と温かみの強い版の二つができました。 これらの作品を中間報告で発表する形にするために、制作意図・形式をクラスでディスカッションし、意見交換を行いました。一つ目の作品群はザラザラとした質感や、同モチーフの反復であることを活かして映像作品にしました。三つ目の CMYK 本制作は、二枚の版を背中合わせと左右のどちらにも並び替えられる形で組み合わせました。最小の ZINE のような形になったのですが、受け取り手に可動してもらえるようにより小さい形で出版するのはどうかなどフィードバックがありました。中間報告はあくまでも中間なので、先生...